みぎて
歩いて手術室に入り、名前と生年月日を告げた。「今日手術するのはどちらの胸ですか?」「右です」と答えると、前日付けてもらった右胸の印を医師が確認した。手術台に仰向けになった。涙が溢れてきた。頭上近くにいた看護師さんがガーゼで涙を拭いてくれたが、涙は止まらない。何の涙か分からな...
ゆるしいろ
ステイホームは嫌いではないが、強制されると別のものになる。5月下旬、久しぶりに訪れた蕪島。ウミネコの鳴き声はまるで讃美歌のように、後頭部を経由して鼓膜の内側で響き、濃淡でつながる空と海は同じ色に見えた。この色に名前はあるの? 潮の香りはノスタルジーとも違う、紛れのない記憶を...
カラのソラとハチノヘルーパ
昨年12月中旬に発行予定だった『八戸フォトジャーニー』第6号は予定から約3週間遅れの今月8日やっと発行にこぎ着けた。今号は海と空、それらの色をテーマに「カラのソラとハチノヘルーパ」と題した。八戸の海といえば、蕪島、種差、白浜、大須賀など、どこも心ひかれる美しい海岸ばかりだ。...