境界本能が分かつものは、湿潤を保ち排除と容認を繰り返す。範囲を保護するものは、粘膜にも似ていて、体温は隔たりだけを見せた。意識は浅い眠りのように、往来を繰り返し交差する。そこから連なる線を、どうか壊さぬように、消してしまわぬように。境界をなくしたら、全てを失うような気がした。